当社「精密カラー化」技術とは?

AIによる自動カラー化について

※本項で解説するAIとは、白黒写真のカラー化に特化した従来型のAIを指します。生成AIによるカラー化については、特化型AIとの違いを含め、「生成AIによる白黒写真のカラー化の現状と課題」のページで解説しております。

 AIは、物体や風景といったシーンを認識し、蓄積された膨大なデータをもとに「それが何か」を推定して着色を行います。そのため、空や海、山といった自然物や人肌など、一般的な特徴を持つ対象には比較的良好な色付けが可能です。一方で、固有性の高い人工物(衣服、商品、鉄道、車両、建築物、看板など)については十分なデータがない場合が多く、適切な色の「傾向」を捉えきれず、それらしい色、または曖昧な色付けにとどまる傾向にあります。

AIと当社色再現比較例1 左:原板 中:AIによる自動カラー化 右:当社による色再現(精密カラー化)
写真左:原板 中:AIによる自動カラー化 右:当社による色再現(精密カラー化)

 上の写真は100年以上前に撮影された、陸軍大将・乃木希典写真です。左から原板、AIによる自動カラー化(2026年現在、最も自然であると感じた単体データ)、当社による色再現(精密カラー化)となります。中央のAIによるカラー化は一見するととても自然多くの方が納得できる仕上がりとなっているように感じます。しかし、細部を拡大して見てみると、

AIと当社色再現比較例2 左:原板 中:AIによる自動カラー化 右:当社による色再現(精密カラー化)
写真左:原板 中:AIによる自動カラー化 右:当社による色再現(精密カラー化)

 軍服や勲章といった特定の人工物に関しては、かなり曖昧な色付けをしていることがわかります。今後、さらにAIの精度が向上することは予想されますが、色の3要素(色相・彩度・明度)の内の「明度」の情報しかない白黒写真に写る特定の人工物すべてを認識し、正確に特定して色付けすることは極めて困難なのです。

 ヒト(技術者)の場合、まずはその写真のストーリーを読み取り、資料・情報などを元に調査を尽くします。また、たとえ特定できない場合でも決して曖昧な色付けはせず、色の3要素、当時のフィルム特性なども考慮の上で、より自然で正確な仕上がりを追究し、入念に作業を進めます。

 現状、90%の精度を99%に近づけるには、AIの効率性を最大限活用しつつも、人間(技術者)主導で作業を進めることが必要不可欠なのです。

AI任せではない、技術者主導の色再現「精密カラー化」

 ここでは、当社による白黒写真の色再現「精密カラー化」技術についてご説明します。実は当社が白黒写真のカラー化サービスを本格的に開始したのは、AIによる白黒写真のカラー化技術が注目され始めた2016年でした。AI技術が世に出た時期に、何故あえて「人間」主導による「手間」と「お金」のかかるカラー化サービスを始めたのか? それは、AI技術に感銘を受けたと同時に、人間(技術者)の関与の必要性を強く感じ、AIと人間の協業により、カラー化技術の飛躍的な進化の可能性を見出したからです。

 

当社「精密カラー化」技術の特徴

・技術者による入念な「写真修復・修整作業」の前処理を施すことにより、色再現性を向上


・複数のAIによるカラー化+高画質化加工データを、部分的かつ効果的に下地として活用

 

・色の3要素、フィルム特性、調査資料等を基に「正確性」を追究した、技術者による精密な彩色データを融合

 

 AIデータを活用する主な理由は、作業効率の向上(それによる作業料金の抑制)です。また現在では、複数のAIの出力結果を部分的に融合(いいとこ取り)して活用する場合が多く、より自然な味付けができるようになりました。
 当社「精密カラー化」技術は、AIと人間の協業により、99%の「正確さ」と「自然さ」を追究し、よりリアルな色を再現します。

様々な条件による、AIと「精密カラー化」の比較例

拡大して細部までご覧ください

写真左[原板写真]
 無修正の状態(デジタル修復・修整前)
写真中[AIによる自動カラー化]
 複数のAIサイトに原板を入力、その中で最良と思われる出力結果を抽出(筆者の見解に基づく
写真右[当社による色再現「精密カラー化」]
 複数のAIによる色付け+高画質化加工データを部分的かつ効果的に活用し、技術者による修復・修整・彩色データを融合した「精密カラー化」

AIと当社色再現比較例3 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 原板の画質及び状態が大変良好で、特に細かな彩色を必要としない肖像写真の例です。AIが得意とする条件が揃っており、ご覧のようにとても自然な色付けをしました(中・AI)。さらに複数のAIの肌データを融合し、背景、服の色ムラを修整することで、よりリアルなカラー化を実現しました(右・当社)。


AIと当社色再現比較例4 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 上の写真に比べると原板の画質及び状態は若干劣りますが、無背景でシンプルな絵柄のため、AIも概ね自然な色付けをしました(中・AI)。色ムラを修整後、技術者による精密な修復・修整・彩色データと融合し、より自然で深みのある仕上がりを追求しました(右・当社


AIと当社色再現比較例5 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 原板の画質が悪く褪色も進行しており、AIは認識こそしているものの、この状態では綺麗な発色は望めません(中・AI)。その場合非常に有効なのは原板の修復・修整作業で、この前処理を施すことにより、格段に画質と色の再現性が向上します(右・当社


AIと当社色再現比較例6 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 自然の風景と人肌はAIの得意とするシチュエーションです。色抜けや煤けた色合いは見受けられるものの、下地としては十分に活用できるレベルです(中・AI)。肌の色抜け部分や煤けた緑を真夏の色合いに修整後、技術者による精密な修復・修整・彩色データと融合し、より自然で深みのある仕上がりを追求しました(右・当社


AIと当社色再現比較例7 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

↓ 調査収集した参考画像(一部)

AIと当社色再現比較例7 調査収集した参考画像
AIと当社色再現比較例8 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

↓ 調査収集した参考画像(一部)

AIと当社色再現比較例8 調査収集した参考画像

 人工物に囲まれたシチュエーションはAIの苦手とする要素が多いですが、現在(2026年)では、遠目にはそれなりに色が付いている程度までに精度が向上しました(中・AI)。ただあくまでも「パッと見自然に見える」というレベルで、個々の人工物に関しては正確性が期待できず、またよく見ると煤けた色付けも全体的に見られるため、技術者により可能な限り聞き取りや調査を行い、自然さと正確さを追求して精密に仕上げていきます(右・当社)。


AIと当社色再現比較例10 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)
AIと当社色再現比較例11 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 こちらは写真の一部、着物の柄部分をクローズアップしたものです。着物の柄のように細かく複雑なものは現状AIには対応困難で、大まかで滲んだような彩色しか望めません(中・AI)。遠目で見るとそれなりに色がついているようにも見えますが、精密カラー化を謳うには下地にも使用できないレベルであり、当社では全て手作業で対応しております(右・当社


AIと当社色再現比較例12 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)
AIと当社色再現比較例13 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)
AIと当社色再現比較例14 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)
AIと当社色再現比較例15 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 上の4点は、街並みや群衆の複雑で密度の高い情景写真の一部です。原板はかなり細かな部分まで描写されておりますが、ここまで細かいと現状AIでは対応できず、遠目にはそれなりに色が付いているように見えるものの、よく見るとAI特有の煤けたような色合いで、色抜け・色ムラが目立ち、当然正確性にも疑問が残ります(中・AI)。細かな情景写真は人工物の下調べも含め手作業のウエイトが大幅に高くなりますが、細かな部分まで緻密に彩色を施すことにより、全体的にもリアルな空気感が漂う仕上がりへと結びつきます(右・当社)。


AIと当社色再現比較例14 左:原板 中:AIによる自動色付け 右:当社による色再現(精密カラー化)

 とても幻想的な、建設時の東京タワーの写真です。タワーの塗色はAIにより様々で、曖昧な色付けや不十分な根拠に基づいた色付けををしているものがほとんどでした(中・AI)。その後当時の関係者による資料、書籍、またわずかに残るカラー写真や映像等により可能な限り検証を尽くした上で、技術者による彩色を行います。幸い東京タワーは歴史的建造物であるということもあり、建設時の資料も多角的かつ豊富に入手することができました。
 ただ、そもそも人間の眼に入ってくる色は、同じ色であっても季節、時間、距離、大気の状態、入斜角等々、様々な条件で変わるものです。可能な限り検証を尽くした上で、最終的には、「その時、その光景を撮影したカメラのすぐ横にいたら、自分の目にはどのように映っているのか」といったような「ヒトの感性」が決め手となってくるのではないかと思います。
 この例の場合は、道路の影の伸び方から「夕景の、鉛丹(オレンジ)系の錆止めで塗られた遠方の建造物」であることをイメージして仕上げております(右・当社)。

正確性への永久保証

 「精密カラー化」は、「自然さ」と「正確さ」を追究して彩色作業を行うもので、100%正確な色の再現をお約束するものではありませんが、後日新たに判明した情報・資料等により、彩色した色味に疑念が生じた場合は、無償にて当該箇所の修正作業を承っております。

メディア・専門機関・有名企業等への技術協力実績

 当社の写真修復・修整・色再現技術は、現在TV・新聞・雑誌等の各種メディアや資料館・記念館・学術機関・有名企業等からも広く認められ、多くの実績を残しております。

 

技術協力実績順不同・敬称略

JICA(国際協力機構)海外移住資料館
・日本郵船歴史博物館

・文京区立森鴎外記念館

・田端文士村記念館
・NHK「NHKスペシャル 新・幕末史

・テレビ東京「新美の巨人たち」
・テレビ朝日「ポツンと一軒家」

・テレビ朝日「Qさま!!」
・TBSテレビ「クイズ! THE違和感」
・日本テレビ「1億3000万人のSHOWチャンネル」
・北國新聞「連載 カラーでよみがえる、ふるさと」
北國新聞社出版局「北國文華」
・富山新聞「連載 漫画家藤子不二雄A氏の記者時代」
教育出版 令和6年度版「小学社会6」

・文藝春秋「週刊文春」

・文藝春秋「Number」

・講談社「週刊現代」

・小学館「週刊ポスト」

・小学館「女性セブン」

双葉社「彩色カラー写真でみる 日本の近代史」

・主婦の友社「天国ゆきのラブレター」坂本雄次 著
・平凡社「問題の女 本荘幽蘭伝」平山亜佐子 著
・マツダ「100周年記念サイト」
・東洋大学(井上円了哲学センター)

・聖マリアンナ医科大学

・玉川大学

・立教大学
・大林組

・三井住友銀行
・住友不動産

・損害保険ジャパン

・靖國神社
 他多数

お問い合わせ・お申し込みは

 「精密カラー化」は、当社の「写真修復・修整基本作業」と「色再現(カラー化)作業」の組み合わせとなります。料金につきましては「作業料金・納期」のページで難易度別でご提示しておりますが、作業内容は写真一点一点全て異なりますので、詳細はフォーム・お電話・メールにてお気軽にお問い合わせください。もちろんご相談・お見積もりは無料です。

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