北國新聞夕刊連載「カラーでよみがえる、ふるさと」より(2022年9月3日掲載分)。
1959(昭和34)年8月24日、石川県の河北潟に初めての巡航船「大観丸」が就航した。「大観丸」は、後ろに写る温泉旅館「大観」と、北陸鉄道浅野川線の新須崎駅を結ぶ約10キロを45分で走った。
温泉や劇場を備えた3階建ての旅館「大観」は、翌1960(昭和35)年5月11日、オープン1年を迎えることなく失火で全焼。それに伴い「大観丸」も運航停止、地元住民の記憶にもほとんど残っていない「幻の航路」となった。
©北國新聞社
※本ページに掲載されている画像の無断転載・転用を固く禁じます。