明治期の日本の風俗・習慣・風景を色付写真として多くの作品を残した彩色写真家、日下部金兵衛（1841-1934）。
写真をクリックすると拡大表示できます。
当時の写真は全て白黒です。それを水彩絵の具を使ってカラー写真にするのが日下部金兵衛氏の仕事でした。日本ではあまり評価を受けることはありませんでしたが、欧米とは全く異なる日本の風俗・習慣・風景をカラー化した写真は外国人観光客に喜ばれ、蒔絵を配した表紙のアルバムが横浜の波止場から帰国みやげとして多く旅立っていきました。
横浜本町通にあった「金幣写真」本店（彩色写真）
「横浜写真」と呼ばれた彩色写真
金兵衛氏の作品は派手な色を部分的に塗っただけの彩色写真とは一線を画し、とりわけ風景写真は自然で繊細な色使いで、白黒写真とは比べものにならないほどの臨場感に溢れています。今見てもそのリアルさに圧倒され、タイムスリップ気分を味わうことができます。
出典元：ニューヨーク公共図書館
